朝日と夕日のラプソディ
ファッキンボーイフレンド
「ぼおぉえーっ!…何あれ」

影法師と竜神がキスしているのを見て、吐き気がした。

アサは最近竜神の夢しか見ないの。しかも毎回竜神とアイスクリームを食べる夢。何故竜神なのか。でも別にどうでもよかった。夢の中でも竜神は高圧的で上の空でムラっ気があるから。あぁ、いつもの竜神だって夢の中でさえ思えたからどうでもよかったから。しかし今目の当たりにした光景で、その夢がたった今嫌悪感に早変わり。今日もきっと竜神の夢を見る。アイスクリームはきっとザーメンにしか見えなくなる。そして目が覚めれば先程と全く同じ吐き気を催して、影法師と竜神のキスを思い出すはず。そんなアサは嫌。アサをあらゆる意味でがんじがらめにできるのは、佐々木先生以外考えられないんだから。それ以外の人間にがんじがらめになるのはアサの自尊心に関わる問題。

「コマルン。お願い、今の事故の記憶食べちゃって。コマルン。大好きなコマルン。食べて。食べて。たーんと食べて。ついでにあたしの邪魔なおっぱいもちょっとだけ食べて」

今日に限ってコマルンは現れなかった。コマルンは気まぐれ天使だから、現れたり現れなかったりまちまちなんだけど、でもそんなとこも愛しいコマルン。ちょっと待てばきっと現れて今の事故の記憶を食べてくれる。そしていつかこのクソの役にも立たないおっぱいもちょっとだけ食べてくれる。
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