Garden2

for her


ありがとう、と。

伝えればよかったのか?

ごめん、と言えばよかったか?

そうすればもっと、違う答えになったのか?

問いかけても何も答えは返らない。


タバコに火をつける、指が微かに震える。

平静を装うためじゃない。

平静を求めて、俺は深くそれを吸い込んだ。


身体中をニコチンが染み渡れば、少しは落ち着ける気がする。


引き止めるなんて、俺にはできない。

そんな資格はないんだろ?

お前を傷つけるのはいつだって俺の言葉だった。

お前が諦めていくのを、俺は知ってたよ。

でも、何もできなかった。

否、しようとしなかった。


これが俺。

俺は俺自身を、お前に受け止めてほしかった。

それは俺の甘えだと、俺は知っていた。

それでも、俺には変えることはできなかった。


俺の傍でお前は幸せじゃなかったか?


俺は…


俺はそれでも、お前にいてほしかった。


お前には俺しかいない、なんて馬鹿げたことは言わない。

俺よりお前を幸せにできるヤツがきっといる。



でも俺には、お前だけだったよ。

最初からずっと。


お前だけだったんだ。
< 10 / 12 >

この作品をシェア

pagetop