晴い天-アオいソラ-
「告白…しないんですか?」


「……あの人困らせたくねぇ」


「困るかなんてわからないじゃないですか。もしかしたら気づいてるかも…」


「それはねぇよ。あの人色恋沙汰にはすげー鈍いから。自分の事になると余計だハッキリ言わなきゃ気づかねぇ」


「ふぅん」


「…そっちは?」


「何ですか?」


「告白」


「私の場合逆…かな。あぁ見えて会長は人の心の動きに敏感ですから」


「?」


「何度かしようとした事あるんです。告白。でもそういう雰囲気になると上手くかわされるんです」


「たまたまじゃねぇの?」



奈々花が首を横に振る。



「最初は私もそう思ったんですけど3回ともなると確定かなって」



奈々花が寂しそうな横顔に雄介は掛ける言葉がみつからなかった。



「きっともし私が告白したら会長は断るつもりで、気まずくなる様な事はやめておけって意味なんだと思います」


「…そうか。何か俺達似てない様で似てるな」


「そうですね」



雄介の前でいつの間にか奈々花は自然に笑う事が多くなっていた。



そんな2人の姿を遠目で見ていた耕平は声をかけずに引き返した。


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