3を3回、2を2回

パスワード;nico





そこには
ちょっとの躊躇い

期待
だけ。



不思議と迷いはなかった。





話さえ聞いてもらえればいい。

別に会うわけでもないし、
何かするわけじゃない。


確かに一方的だしすごく自分勝手だけど、
こーゆーのって深く悩むもんじゃないし。

軽い気持ちで、さ。




そんな言葉がニコの脳内ではリピートされる。


カーソルを移動し、
『ボックス作成』
に。




ニコはボタンを押す。








「パスワードの入力か…n・i・c・o、と。」



こうして同性愛者の集うサイトに
ニコの存在証明が
ひっそりと出来上がった。


< 13 / 29 >

この作品をシェア

pagetop