3を3回、2を2回
ニコとヒロ

奈津美




翌朝。

梅雨らしい曇り空。
いつ泣き出してもおかしくないような灰色の雲を眺め、ニコはため息をつく。



まるで、私の憂鬱と一緒…



ニコは昨日と同じようにスニーカーに足を落とし、傘を引きずるようにして家を出た。




「行きたくない行きたくない」

一歩、一歩、
予備校が近づくにつれてその気持ちは大きくなった。








「大丈夫。大丈夫。お昼の時間になったら、サイトのボックスを確認してみよう」


ニコはひっそりと自分に約束をつくった。

そうでもしないとこの鉛のような右足が前へ進まなくなりそうだったからだ。



ちょっとの期待。

それだけでもニコはこの鬱々しい午前中を乗り切る活力につなげることができた。




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