アタシがホストになった ワケ
ビシッと、って言われても…
ウォークインクローゼットの
中で悩む。

スーツはありきたりだから、
シャツとジャケットにした。

髪は美容院でセットし
7時を待つ。

マンションの前で待っていると
たかサンの高級外車が止まった。

「お〜イケメン!(笑)」

『うぃ〜す(笑)』

車が向かった先は、一件の
ホストクラブ。

『ここって、先月できた
ばかりのたかサンの店ですよね?』

「そ〜、今日からClimaxが
オープンするまで試しに
働いてみろ。」

それは、キャバ嬢をやめて、
自信を失っていたアタシへの
たかサンなりの優しさだった。

アタシは毎日勉強はして
いたけど、実際に接客はして
いないし、女の子と触れ合う
機会もまったくなかったから、
こういう舞台を用意してもらう
ことはありがたかった。


『たかサン…ありがとう
ございます。』


そういってアタシははじめて
ホストとして接客をすることに
なった。


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