嘘つき⑤【-sign-】

ピンと張り詰めた空気が痛い。

動かない、体。


あたしは、何もあげてない。

もしも、あげたとすれば、今この状況へと彼を導いてしまった、底の浅さだけ。


きっと、


天童さんは知っているんだ。

あたしが部長と、どんな関係だったかを。


偽りなのに。


けれど、今、何が無くとも、それは大事じゃない。只の事実として受け止められれば、どう言い返してもただの言い訳だ。


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