嘘つき⑤【-sign-】

――――――――…

結城さんと、肩を並べて歩くのは初めてじゃない筈なのに少し緊張するのは、部長にどう思われるかを意識してるだけ、なんて最低なあたしを包む笑顔。

出来れば、違った形で会えたならよかったと心底思う。


本当に、ごめんなさい。


だって、ほら



視線をさまよわせながら、あたしは容易に彼を見つけてしまうから。


< 91 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop