嘘つき⑤【-sign-】

やっと、顔を上げたその時、




「…琴音さ、ん?」



周りの音がノイズにしか聞こえない中、私の背中に聞こえたのは遠慮がちな小さな声。


だけど、私はその声の主を知ってる。




「…お久しぶりね」



仮面の様な微笑は、彼女にまた不愉快な気持ちを与えてしまったのではないかと少し、不安になった。


< 96 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop