恋咲

元気系美少女 *友美*


ふぅ~。
つっかれたぁ。
南美いるかな~?

『待ってる』と言ってくれたのは嬉しかったけど。
けっこう時間掛かったから寝ちゃってるかも。

机の上で突っ伏した姿の、寝てる咲月を思い浮かべて自然と笑みが零れた。

ふふ~ん♪
ご機嫌なあたしは鼻歌を歌いながら1-Aの教室に向かって軽くスキップしながら歩いた。

今はもう夕陽が沈み欠けていて、下の方はうっすらオレンジ色、あとの空を埋め尽くす青色。
暗い青色ではなくまだ明るい青色だった。
月はあと少しで“満月”というのに欠けていた。
星もキラキラ輝いていて一番星もあってすごく綺麗だった。

景色を眺めると「もうこんなに暗いんだ」と思い知らされる。
今は6:30。

咲月を待たせ過ぎたかな…。

そんな心配をしていると…着いた。
後ろの扉をゆっくり開けた。

…。
咲月?!
扉を開けたあたしはビックリ仰天。
なぜなら…

咲月は後ろの壁に背中をぴったりくっつけてしゃがみ込んでいたから。

そんな所で寝るはずはないと思う。
しかも両足を両腕で抱え込み、縮こまっていた。
扉を開けた音にも気付かないなんて…。

まるで…
そこで昔の記憶がフラッシュバックした。
…違う違う!
あいつらはいないわけだし。

あたしは咲月の隣に駆け寄った。
あたしもしゃがみ込み咲月の右肩を揺らした。

「…咲月?」
呼びかけるとビクッと肩を震わせた。
あたしは手を離した。

ゆっくりと顔を上げた咲月はこっちに顔を向けた。
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