恋にキスを

彼女―大貴

――大貴、18歳の夏。




俺の彼女、それは4歳年下の田村春子。


あるサイトで知り合って、それから俺は春子が本気で好きになった。




『大貴ーっ!今日ね、いいことあったんだよ♪』




電話で聞く、高くてかわいらしい春子の声。

その声に一日の疲れも一気に吹っ飛ぶ。




「俺は、いいことないや。」

『あるでしょー?例えば…ハルと電話してることとか?』

「はあー?」

『あはははっ!』




いいことなんかなくても、ハルの声を聞けば、元気がでる。


会えなくたって、春子と肩を並べて町を歩けなくたって、俺にとって今一番大切なのは、春子。




春子しか、俺にはいない。





「じゃあ、もう電話切るよ?」


『…うん。』





毎日の電話。


これはかかせないもの。


俺は特に、この電話がなきゃ一日が終わった感じがしない。





「なんだよー。」


『なんでもないもん…。』




切る前になると、絶対に寂しそうにする春子。


それが可愛くて。




「春子…?」


『何よ…。』


「愛してる。おやすみ。」





*`

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