恋愛ラビリンス―愛しのヴァンパイア―






紫貴にもらった痛みは

あたしの記憶を確かに呼んだ。



眠らされている記憶を、優しく……切なく。


甘い声で呼ばれた記憶は、

この時を機に、ゆっくりと目を覚ます準備を始めてた。




……もう少し。

もう少しだけ、待ってて。



すぐに、この手で抱き締めるから。



もう、

ひとりぼっちにはしないから。







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