風紀委員長ミーシャの事件簿
ラインハルトさんもまた、何とか呼吸を整えて次なる魔法の呪文詠唱に備える。

その横で。

「癒せ 聖母神の慈悲なる愛よ」

私は治癒魔法を詠唱し、ラインハルトさんの肉体を回復させる。

「ミーシャ…」

「本来の効果は負傷箇所の治癒ですが…恐らく体力も僅かながら回復すると思います」

私はそう言ってはにかんだ。

「学園の生徒の身分の私には、攻撃魔法は使えませんから…せめてこのくらいはしないと」

「いや…」

ラインハルトさんの微笑む気配。

「エルフの女神に祝福されたなら百人力だ」

彼のその言葉に、私は尖った耳の先まで赤くなる。

め、女神なんて…そんな…。

軽い妄想モードに入り、クネクネモジモジしていると。

「来るぞ!」

悪霊の吐き出した呪詛!

ラインハルトさんは私を素早くお姫様抱っこして、悪霊の呪詛を回避した。

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