最初で最後の言葉
とうとう、思いを捨てる日がやってきた



「俺、結婚する」



正月に会ったあなたが私に言った言葉だった



いつか、この日が来るのは分かっていた事
だけど、来てほしくはなかった…


だけど、来てしまった



私は自分の気持ちを殺して
思いを捨て
こう言った


「おめでとう。絶対に幸せになりや!幸せにならんかったら許さへんからな!」


「ありがとう」



はにかんだあなたは私の頭をぽんっと叩きながら言った



優しくしないで
笑顔を見せないで
あなたを忘れられないでしょ




一筋の涙が頬を伝った





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