俺様☆姫様★王子様 2 【完】
「あぁ…、姫華だ……」
ぽつりと耳元で呟いた。
優しい声があたしの心の奥にまで浸透していく感じ。
「やっと触れたし」
「……蓮?」
いつもと様子が違うような気がするけど。
何かあったの?
なんか調子狂っちゃうじゃん。
怒りの行き場が無くなったあたしは、蓮の背中に視線を落とす。
「………」
抱きしめたまま動かなくなっちゃったけど…
ホントどうしたんだろぅ?
「蓮?」
もう一度声を掛けたら、抱きしめてる力を少し緩めた。
「姫華不足。もうちょいこのまま……」
「蓮……、あたしもだよ」
蓮の腰に腕を巻き付けて、睫毛を伏せた。
だいすきだよ………
蓮。
長年会えなかった恋人が再開したみたいに抱き合った。