俺様☆姫様★王子様 2 【完】
「虚偽の世界なんかより、生身のお前がいい。姫華も俺に会いたかったんだろ?」
そう言って、手の甲にキスをした。
「う、うん…」
そりゃ、ね。大好きだもん。
ででで、でもさ?
寝込み襲うとか無くない?
「だったら素直にそう言えよ」
「んっ……」
「お前は俺だけを見てればいい」
「……んんっ…」
蓮は言葉を溢す度に、キスを落としていく。
手首、肩、首筋へと。
ダメ、ホントに。
さっきから蓮がキスするところが!
熱を持って仕方ない。
その瞳は、まるで獲物を見つけたオオカミ。
だとしたら、あたしは逃げ損なったウサギ?
「俺が好きなんだろ?」
「なに言って……」
あたしの首元に顔を埋めた蓮は、溜め息混じりに言った。
だけど、正直頭には入ってなかった。
すりすりしてる蓮の髪がこそばくて、蓮がいつも使ってるワックスの甘い良い匂いがして。
あたしの脳内は、この甘ったるい空気に溶かされてた。