俺様☆姫様★王子様 2 【完】
そう感じたのも束の間、すぐにまたヘラッと、ゆるすぎる笑顔をみせてる。
気のせいだったのかなぁ。
不意に肩をトントンと、叩かれた。
「ね~、ヒメっち」
「あ、え…と、なに?」
お兄様とあなたの関係を勘ぐってましたなんて言えない。
あたしは、カインに向き直って笑顔を張り付けた。
「キミは何を持ってるの?」
は?
持ってる?何を?
特に目的があったわけじゃないし、今日外に出たのだって、寮に居ても退屈って理由で。
「見ての通り何も持ってない。財布と携帯くらいよ」
ホントにそう。
近くをぶらぶらするだけのつもりだったから、必要な物だけをショーパンのポケットに詰めて、今は鞄さえ持ってない。