俺様☆姫様★王子様 2 【完】
お腹を抱えて笑っていたカインが、ふっ、と笑うのをやめた。
蓮の身に何かあったんだろうか…。
だとしたら、あんなに笑えないだろうし、この島に寄るなんて事しないと思う。
じゃあ、何があるの?
急にそわそわして、その気持ちを抑えるために、唇を真一文字にして言葉を待った。
少し瞳を伏せたカインが、ぼそっと呟く。
「兄貴が……」
ゴクッ。
生唾をのみ込んで、ぐっと彼の瞳を見据える。
「兄貴がさ……」
ダメだ、太陽が照りつけて暑いはずなのに、背中や額を伝う汗はそのせいじゃない。
体が冷たい。
違う、血の気が引いてるんだ。
カインが次に紡ぎ出す言葉が怖くて、最早あたしは立って息をすることさえも、出来ているのかわからなくなってきた。