俺様☆姫様★王子様 2 【完】
時が止まったのかと思った。
はたまた、あたしの心臓様が停止してしまったのかとも思った。
だけど……当たり前なんだけど、それはただの勘違いで。
「うぉらっ!!」
パシャ
「冷たっ…」
頭に何やら冷たい滴がかかった。
タラリと頬に伝うと、それは生温くなって…。
「ははっ!もっとかけてやる~♪」
パシャパシャ
笑いながら、更に海水をかけてくるカイン。
「ちょっと、よくもやったわねぇ!」
少し屈んでから、手を海に浸す。
ひんやりしてて、気持ちいい!
だけど、直ぐに両手でお碗を作るようにして、海水をひと掬いすると、それをおもいっきりカイン目掛けて応戦した。
パシャパシャパシャ!
「つっめてぇ~!お返しだぁ…うぉりゃっ!」
「やったなぁっ」
あたし達は誰も居ないまっさらな砂浜で、お互いに水をかけあって、子供みたいにはしゃいだ。
残暑なのにまだまだ元気なお日様の下で、キラキラと煌めく。
あたしとカイン。