俺様☆姫様★王子様 2 【完】
辛いよ。
凄く胸がイタイ。
ちっこいおっさんが、あたしの心臓を槍でつついてるみたいだ。
「姫華様」
俯いて唇を噛み締めるあたしの肩に、ふわっと手を添える。
顔をあげると、満面の笑みを浮かべる宇都宮さん。
「姫華様のおかげで、坊っちゃんも私も救われました」
「そんな……あたしは……」
お遊びの延長にいる女だよ。
言いかけた言葉は、吐き出さずに飲み込んだ。
だって………。
「宇都宮……テメェ」
物凄く真っ黒のオーラを放つ、仁王様。いや、大王様のお声が。
や、気の所為か?
「そいつに触ってんじゃねぇよ」
気の所為じゃなかったぁ!!