俺様☆姫様★王子様 2 【完】
「う……」
つのみやさん、逃げて。
そう言おうと思ったのに。
つかつかと背後に迫った、振り向かなくてもわかるほど不機嫌オーラを放つその人物。
「浮気してんじゃねぇよ」
グイッと後ろに引かれたあたしの体はよろけて、宇都宮さんの手がスローで離れていく。
「っっ!浮気なんてして…な…」
当たり前のように、彼の懐に納まった。
「人が居ないとこで悪口言ってんじゃねぇよ」
頭上から、愛しい声が聞こえてきて、それだけであたしの中のちっこいおっさんが暴れだすんだよ。
変なの。
愛を囁かれてる訳じゃないのに。
ふっ、と笑う。
「笑ってんじゃねぇよ」
「えへ、いいじゃん」
「あ?良くねぇし。お仕置きだな、二人とも」
はい?
二人………っだあっ!!!
宇都宮さん忘れてた!