俺様☆姫様★王子様 2 【完】

肩を落としてるあたしは、バンッと背中に受ける衝撃によって、前のめりになる。


「コラッ!落ち込むとこじゃないでしょ!?レンくんがそこまでしてくれてるんだから、胸を張りなさい!胸を!」


渇を入れる柚亜さん。


意味わかんないんですけど?

だって貴方はアムールのお仕事反対してるんじゃ……?


「そうだよ、ヒメちゃん。蓮はキミだから必死なんだ、信じてるから」


「……しゃちょぉ…」


「あいつは大人ぶってるけど、実はガキなんだよ」


「そうそう!ヒメちゃんの事になるとめんどくさいんだから。ねぇ?社長?」


「あぁ、本気で面倒臭いよ」


「え?めんど…くさい?」


本気でって社長に言われちゃうくらい面倒な蓮なんて、あたしには想像つかないんだけど;


あんな偉そうなのに。俺様なのに。








「とにかく!!受けちゃったもんは仕方ない。あのゴーインクマイウェイ男の為にも、粗相の無いように頑張ってくれ!」


今度は天宮社長に背中を叩かれる。


ご、ゴーインクマイウェイ男って………;



「は……はい…」


結局決定事項じゃないか。


何て言葉は飲み込んで、頷くしかなかった。

だって。


蓮があたしを護ってくれるから。

だからあたしは、何かに導かれるようにこの世界に飛び込む。


ぼやけているけど、きっと光が射す方。


そう、あたしは信じたい………。



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