俺様☆姫様★王子様 2 【完】


こんな写すだけの宿題ってやる意味がわからない。

先生だって、提出してから全部見ないじゃん!

始業式に提出しなくたって、誰にも迷惑かけないじゃない!




だからといって、いきなり休むわけにはいくまいと、鏡に立ち向かうんだけども。


「メイクって何のためにあるんだろう……」


隈を隠すべく、ファンデーションを肌にのせてみたけど、全然馴染みやしない。

むしろ粉をふいて、余計にカサカサ感が満載。


これってカバーしてくれるんじゃないの?

なによ、高かったのにぼったくりじゃない!

絶対あの店員、嘘つきだ!



終いにはファンデーションを勧めてくれたお店の人に悪態つく。


あぁ、ホントに最悪だ……。



『今日も元気に、行ってらっしゃぁい!』


テレビから聞こえる甲高いけど可愛らしい声。
それはズムおはのアイドルキャスター。


「うるさいよ、はるちゃん…」


いや、はるちゃんは悪くない。

悪いのは宿題を溜めてたあたしだ。


「っはぁ……」

盛大な溜め息を付いたら、



ピンポ~ン



軽快な音が、澱んだ空気を振動させた。


< 346 / 438 >

この作品をシェア

pagetop