俺様☆姫様★王子様 2 【完】
こんな写すだけの宿題ってやる意味がわからない。
先生だって、提出してから全部見ないじゃん!
始業式に提出しなくたって、誰にも迷惑かけないじゃない!
だからといって、いきなり休むわけにはいくまいと、鏡に立ち向かうんだけども。
「メイクって何のためにあるんだろう……」
隈を隠すべく、ファンデーションを肌にのせてみたけど、全然馴染みやしない。
むしろ粉をふいて、余計にカサカサ感が満載。
これってカバーしてくれるんじゃないの?
なによ、高かったのにぼったくりじゃない!
絶対あの店員、嘘つきだ!
終いにはファンデーションを勧めてくれたお店の人に悪態つく。
あぁ、ホントに最悪だ……。
『今日も元気に、行ってらっしゃぁい!』
テレビから聞こえる甲高いけど可愛らしい声。
それはズムおはのアイドルキャスター。
「うるさいよ、はるちゃん…」
いや、はるちゃんは悪くない。
悪いのは宿題を溜めてたあたしだ。
「っはぁ……」
盛大な溜め息を付いたら、
ピンポ~ン
軽快な音が、澱んだ空気を振動させた。