俺様☆姫様★王子様 2 【完】


マネージャーと自己紹介はしたものの、終始目付きの怪しい柚亜さんに、内心ドキドキしながら、一通りどんな流れで撮影が進むのかといった説明を受けた。


一体なんなのよ。

確かに柚亜さんとは対照的な雰囲気だけど。

仕事の話でこういう態度を取るのを見たことがないあたしは、説明の間、柚亜さんが口を挟まなかった事に胸を撫で下ろした。



筈だったんだけど。








「久しぶりね、柚亜」


艶やかな唇がゆるく弧を描いた。

営業スマイルは終了したらしい柴崎さんの表情に、ドキッとする。


呼び捨て?
って事は……


「まさかカオリが担当だとは思わなかったわ」


「そう?私は知ってたわよ?うちの社長が彼女の事、痛く気に入ってね」


”カオリ”と呼ばれた柴崎さんと目が合う。

やっぱりふたりは知り合いなんだ。


「それは光栄だわ。うちのヒメは特別ですから」


特別って…;
どこが?


しかも刺々しさが増してません?

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