俺様☆姫様★王子様 2 【完】


「そ、そんなに笑わなくたっていいじゃん」


暫くして笑いが治まったのか、人差し指で目元の涙を掬ってる。

っていうか、泣くほど笑わなくたっていいのにさ。


「ごめん、ごめん!あんまり姫華が必死だから」


「だってぇ」


「わかってるよ、もっと早くに声掛ければよかったね」


「……ホントそうだよ」


「だからごめんってば。あたしも後悔してるし」


「へ?」


「有名になったから友達になったんじゃないからね!?」


その言葉に、フリーズ状態になる。

そうだ。あたし、芸能人になっちゃったんだ。


余りにも生活が普通過ぎて。

ってか、誰にも気付かれないあたしって、有名人なんて言われる程のモンじゃないよ。



「……姫華?」


「?………あぁ、ごめん。あたし有名人なんかじゃないよ」


素直にそう言った。

だって本当にそうなんだもん。

いくらCMが世界に配信されても、あたしってわからないくらいにメイクされてたし。

それに、やっぱり

………無名だしね。



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