俺様☆姫様★王子様 2 【完】
目をぱちぱちさせて吃驚してるあたし。
蓮には続きがあるみたいで、無視して口を開く。
「人の背中見て笑ってんじゃねぇよ。後ろ歩くな、気になる」
いつも通りの冷めた口調で言った。
「でも、えっと……隣……」
歩いても良いの?
こんな所で…。
「心配すんな、隣歩いたくらいでここじゃ誰も不思議に思わねぇから」
あたしの気持ちを見透かした蓮が、少し口角を上げて言う。
「うんっ!」
満面の笑みで蓮の隣へ駆け寄った。
「えへへっ」
見上げたら、蓮も笑ってた。
普通だったら入れない場所なのに、隣を歩いてるなんて。
夢を見てるみたいだよ。
それから暫く蓮と並んで廊下を歩いた。
何度か人とすれ違ったけど、蓮が言った通り、あたし達を不審な目で見る人は誰も居なかった。