俺様☆姫様★王子様 2 【完】
「ぶはっ!」
「えっ?えっ?」
いきなり吹き出した奏くんに焦った。
あたし何かやらかしたっけ?
あわわ、と
蓮に目をやったら……
「はぁ……」
たっ、溜め息つかなくてもいいじゃん!
あたふたしてたら、ふわっと甘い香りに包まれた。
「可愛いっ!小動物みたい」
「や、あの」
どうやら奏くんに抱き寄せられたみたい。
しかも小動物って;;
あたしは1日に何回抱きしめられるんだろぅ。
と思った次の瞬間
「奏、ふざけ過ぎ」
これでもかってくらい低い声を出す蓮が近付いてきて、べりっと奏くんからあたしを剥がした。
「奏、テメェシバかれてぇのかよ」
思いっきり睨みを効かして、奏くんの胸ぐらを掴む蓮。
これぞ蜘蛛の巣に引っかかった蝶だ。
あたし知らないよ…?
奏くんの綺麗な顔に傷が付かない事を祈った。