俺様☆姫様★王子様 2 【完】


「名波さん、何を言われるか知ってるなら教えてくださいよ」


少しは心の準備が必要な訳でして。

こんなのじゃあたし恐くて事務所に行けません。




だけどそんなあたしの気も知らず名波さんは、かっかっかっって大口を開けて笑った。


「大丈夫、大丈夫!悪い話じゃないから!」


「や……でも……」




チーン――…



言いかけた所で、エレベーターは最上階で止まった。



「さ、姫華ちゃん降りて?」



ドアを手で押さえて、あたしに促す名波さん。


「………;」


「ほら」


躊躇しているあたしに向かって、先に降りた蓮が手を差し出してくれた。


その姿にきゅんとなりながら、手を取ってついていく。



「悪いようにはしないから♪」

後ろから聞こえた名波さんの言葉は、あたしにはドラマに出てくる悪者の台詞にしか聞こえなかった。


< 91 / 438 >

この作品をシェア

pagetop