アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋
かあさんが恵太さんに
とられた気がした。


どんなときも俺が出かける時は
玄関先まで出て
見送ってくれたのに


悲しかった……



かあさんが泣いてばかりいたから
俺はかあさんを
喜ばそうと
一生懸命努力した。

大好きだったとうさんが死んだ時
かあさんは俺に
「死んでもいい?」って聞いた。


俺は必死に首を振った


それは大好きだったとうさんが
「父さんに何かあった時は
恭平がかあさんを守るんだ」
そう言い続けてきたから……


「頑張るね!!」かあさんは泣きながら笑った。

一人のことも多かったけど
俺をいつも見ていてくれるかあさんが
いてくれるだけで
いい子でいられたけど


恵太さん来てからは
そうじゃなくなって
俺はかあさんが幸せになってくれたら
それでいいんだ


大人にならないと
そう思って留学した。
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