携帯小説的恋
「星野なぁ~ お前、俺をおちょくってんのかぁ~」

月人君の顔がドンドン真っ赤になり、

Tシャツと同じ色に染まるころ、

その手があたしの手首を掴んだ。

「こい! 順、行くぞ!」

「無理やりは駄目よ、紳士的じゃないわ!」

そう言って、月人君の腕を掴んだのは星野さんだった。

「ちゃんと仲直りしてからにしましょうよ、ね」

その瞳には、厳しい輝きが秘められていた。

「わ、わかったよ。謝ればいいんだろ。

ゴメン、順。

もう調子に乗りません。

だから一緒に来て下さい」

月人君がペコリと頭を下げた。

あたしは、あまりに呆気ない展開に、開いた口が塞がらない。
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