【番外編】ご主人様は†ヴァンパイア†
茜は長い睫毛を下に向かせ、せっせと両手で胸を揉んでいたのである。


「胸がおっきい人が好きなんでしょ? 怜央ちゃん」


「は? 何言ってんだよ、急に」


 茜は手の動きを止めることなく、むしろ力強く揉み出した。


「だって怜央ちゃん言ってたもん。胸おっきくなったら嫁にしてやるって……。揉んでおっきくしてくれるって言ってたのに、全然揉んでくれないから、自力でおっきくしようと頑張ってるんだもん」


「はぁ?」


 せっせと両手で胸を揉む茜。


 ――ちょっと待て。突っ込み所満載で、どこを突っ込めばいいのかわかんねぇぞ? 


まず、全然揉んでくれないって……揉んでいいのかよ!? 


揉んでいいなら、いくらでも揉みますけど! 



それに胸おっきくなったら嫁にしてやるなんて言ったか、俺? 


「なんかお前、誤解してるようだけど、茜だったらいつでも俺の嫁に……」


「……え?」
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