【番外編】ご主人様は†ヴァンパイア†
「怜央ちゃんっ! 怜央ちゃん大丈夫!?」


茜が真っ青な顔で駆け寄ってきた。


「……あ、ああ」


「良かった、戻ってきてくれたんだね。幽霊にとり憑かれちゃった時はどうしようかと思った……」


安堵の表情を浮かべる茜。


……幽霊? あれは幽霊の仕業だったのか?


「それよりっ! 怪我は大丈夫!?」


「……怪我?」


驚いたことに、失神寸前まで蹴られ続けていたのに、制服が汚れているだけでかすり傷一つなかった。


「凄い! 幽霊にとり憑かれると怪我も治っちゃうのかな!?」


茜は目を丸くして驚嘆した。


「幽霊なんているわけないだろ」


「じゃあ、さっきのは何だっていうの?」
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