君のそばに
更衣室は同じ階にある。
私は渡された服を片手に教室を出ると、ちょうどその時柚がやってきた。
「おはよう、柚」
「おはー。あ、そっか午前ウェイトレスだもんね」
柚は私の手元を見て言った。
「そう言う柚は午後からでしょ?早いね、来るの」
「ああ、部活の催しがあるからね。…ったく面倒ったらないわね〜!」
柚は眉間に皺をよせてため息をついた。
「アハハ、私も明日行くから!」
何だかんだ言って最後はきちんとやるんだよね。
私はそんなことを考えながら、柚と別れて更衣室へと向かった。
更衣室はチアダンスをやるだろうクラス、演劇部など様々な衣装を身に纏った女の子たちで一杯だった。
中でもやっぱり清水さんは、一際目立っていた。
そこらのアイドルより綺麗かもしれない。
「…ほら、見てあの人。…すごい綺麗じゃない…?」
「どこのクラスかな?」
更衣室の至るところからボソボソと声が聞こえた。みんなの視線が清水さんに集まっている。
しかし清水さんはそんなことを気にしない様子で、鏡を見ながら髪の毛をピンク色のシュシュで束ねている。
同じ衣装なのに、着る人によってこんなにも違うんだ…。
その事実に私はガクッと頭を落とした。
するとその清水さんは「よしっ」と呟き、私の方に振り返る。
ウェイトレス姿になった私を見てパッと笑顔になる。
「可愛い、伍棟さん。すごい似合ってるわ」
清水さんに向けられていた視線が私に集まる。
清水さんとは違ったみんなの反応に何だか恥ずかしくなりながら、私は俯いて
「あ、ありがとう…」
と答えた。

