王様と料理人
朝、いつものように厨房に向かおうとしていた私は、リュウさんに仕事が休みだと告げられ、ついでに支度部屋へと押し込まれたのだ。

『トーコ様もぜひパーティーにご参加ください。』とにっこり笑顔付きで。

…別に参加したくないんだけど…。

日頃頼もしい秘書官も、今日ばかりは浮かれ気味だという事か。

「困ったなぁ…。」

とりあえずリュウさんに一声掛けて、あとは自室でのんびり過ごそうかな。

うん、そうしよう。

リュウさんが居るであろう方向へ足を向ける。

廊下の曲がり角に差し掛かったところで、何やら騒々しい話し声が聞こえ始めた。

この声って…。

角を曲がれば案の定。

「サリ!スイにルカも!」

いつぞやの3人組。

「……え?………トーコ、ちゃん?」

何?その間。
そして疑問形?

男2人にいたっては口開けて無言だし。

「…うわぁ!トーコちゃんキレイ!」

「え?サリ近視?いや、乱視?」

私達はしばらく、せわしなくお互いへと視線をめぐらせた。


< 28 / 47 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop