王様と料理人
「何なんですか?」

「短く言うと、疲労回復薬。」

…リポ○タンD?

グラスを目の高さに持ち上げて、しげしげと確認をする。

「一気にどうぞ。」

にっこり笑われたもんだから、仕方なく一気に飲んでみた。

「甘!」

予想外!

てっきり苦いと思ってたのに!

妙な裏切り感でいっぱいのまま、リーザさんを見つめた。

「飲んでくれて良かったわ。そうじゃないとトーコちゃんしばらく寝たきりだったもの。」

「え?」

聞き返せば説明される驚愕の事実。

私が受けた魂名の守護とは、そもそも王、もしくは王族の強い魂あってこそのもので、基本的に一般人の普通の魂には負荷がかかりすぎると言う。

一般人、しかも異世界人である私には当然強過ぎる負荷がかかり…。

精神的にも肉体的にも、物凄く疲弊した状態に陥っていたらしい。

「突然倒れたのはそのせいだと思うわ。」

そうなのか。

「今の薬は、魂のチカラと言うか生命力そのものを回復させる効果があるの。だからもう体調面での問題はなくなったと思うわ。」

綺麗なウインクをするリーザさん。



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