君にゾッコン注意報

愛をラッピングして



『ついた…。』



全力で走って5分。

あたしは数学教師室の扉の前にいた。



額からは汗が垂れる。


制服のワイシャツはほんのり湿って、汗ばんでいた。


…少々、本気で走りすぎたかも。


でも、それぐらい一秒でも早く、先生に想いを伝えたかったんだもん。


この頑張りも先生への愛の証なんだ。


乙女の恋するパワーは無限大なんだからね!



『…ふぅ。』



軽く息を整えるあたし。


だって息遣いが荒かったら、走ってきたのが先生にバレちゃうもん。


そんなの格好悪すぎる。



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