ココロが大事なんだ
あいつはヤンキー
朝の目覚ましがなる。

「あー!!うざーい!」

心の中で叫び不機嫌な顔で起きてくる彼女。

名前は大嶋ともみ。

高校2年生。

「まーた暗い顔して!たまには明るい顔で行きなさい!」

「お母さんは仕事してないんだから学校の嫌さが分かってないんだよ!」

「あんたね〜主婦をバカにするのはは経験してからっ…ちょっと!朝ごはん食べてから行きなさいよ!」

「うるさいな!いらないし!行ってきますぅ!」

ともみの朝はいつもこんな感じ。

チャイムがなる30分前。

まだ寝ている生徒もいるだろう。

ともみはこの静かな誰もいない教室が好きだった。

そして

30分後。

賑やかになった教室で一人ため息をついた。

「あっねぇ大嶋さん!」

目立ったグループの一人が声を掛けてくる。

彼女の名前は夏山希。


「はぁぁい…!?」

緊張して声が裏返った。

「これ、やっといてくんない?」

渡されたのは面倒なプリント整理。

「えっ…」

「いいじゃん!どうせ暇でしょ?」




「うん…分かった」

「はい、ぁんがとー!」

希が、ともみなら絶対断らないと思って言ってきている事くらいは本人も分かっていた。

「何で断れないんだろう…」



そして
その日、転校生が来ることになっていた。

男子ということで、女子は盛り上がっている。

朝の会が始まった。

「では!今日前に言っていた転校生を紹介します!」


ワーっと盛り上がる教室。

そこに入ってきた転校生…

一気に教室が静まる。

それは…

その転校生が
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