論理的サイエンティスト

「顔はすっげーカッコいいのにさ、性格最低だと思って。こんな男、彼女にだって冷たくするんだろうなって」

ドキ。

僚右君の言う通り、彼女にも冷たくしまくっていた渚だったけど。

やっぱりその言葉に傷ついてしまうあたしは、まだ渚のことが好きなんだ。


「だけど俺の読みは、」

カチャン、と紅茶を静かに置いて、あたしを見ながら微笑んだ。

「全くもって大ハズレだったのでした」

……

「へ?」

一瞬、僚右君の言ったことがわからなくて、気の抜けた返事をしてしまった。


全然、外れてませんよ。
むしろ大当たりですけど?

「あの研究室、実験台の近くに一つだけ椅子があるよね」

「う、うん」

話の意図が掴めないまま、またまた他の話。

……あたしが、座っていた椅子の話?

「前、雨來先生に用事があって研究室行ったんだ。そしたら話してる最中に綺麗な女性が入ってきてさー、俺は思わず目を奪われちゃったわけ」

不敵に笑って続ける僚右君に、あたしは目を丸くした。

綺麗な、女性?

あたし以外にも、あの研究室を出入りしてる人がいたの?


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