Tears story〜人魚姫の涙〜
「!」
「? なぁに? おとうさん」
キラリと光る透明な雫。
息子が泣いたのだろうか、と思わず思い、指を伸ばして触れる。
「あーっ、みずがついてるーっ」
その言葉で、少年の父親は息子が泣いたのではないと気付く。
目も赤くないし、その形跡もないのは、幼い息子の顔を見れば一目瞭然だ。
「あめ、ふったのかな?」
?マークを頭上に上げながら、幼い少年は空を見上げ、不思議そうに首を傾げる。
そんな小さな息子に、彼の父親は優しく微笑んだ。
「――…いや、きっと誰かの涙だな」