Garden3
よるのいろ

夜中にこうして一人でいると、
このままひとりぼっちで死んでいくような気分になるんだ。

すべてが、止まってしまって。

すべてが、失われていくような。

そんな気分になるんだ。


誰かを、めためたに傷つけたくなる。

声を上げて泣いてくれよ。

俺にも、誰かを傷つけられるって知りたいんだ。

存在を確かめさせてくれよ。


俺に、痛みを与えてくれよ。

このどす黒い不安を、一瞬で消し去るような、そんな痛みを。


生きてるって教えてくれよ。



吐きそうな孤独の中で、壊れていくのは、理性か本能か…


潜む闇は俺だけのものか?

俺のなかに巣食う衝動は…


出口を探して、蠢くそれはどこに向かうのか。



ニュースで見る犯罪者、あれは俺。


優しい人が。

おとなしい人が。

真面目な人が。

まさか、あんなことをするなんて…



そうじゃない。

罪を犯す人間が特別なわけじゃない。

あれは、俺たち。



この孤独が、俺を蝕むんだ。

孤独が人を壊すんだ。




与えてくれよ。

俺に。

俺たちに。


その優しさを。

人のぬくもりを。


教えてくれよ。


孤独なこの心に。


一筋の光を。

愛を。
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