─ Alice ?─



『助けて。』




それだけ言うと、シロウサギさんは消えてしまった。


「あっ……」




頭の中には今の映像が焼き付いていた。



シロウサギさんの涙。


助けを求める声。




私に、何かできるかもしれない。


シロウサギさんが消えてしまった場所まで歩く。

すると、少し先にシロウサギさんの姿が見えた。



「シロウサギさ…あれ?」



近くにいくと、消えてしまう。


まるで幻影のような


けれど

空間がぐにゃりと歪むような違和感もある。




「あっ…シロウサギさん!」



また、少し先にシロウサギさんの姿が見える。


こちらを気にしているのか、
ちらりと私を見て。



「ま、待って!!」



いつの間にか私は追いかけていた。




シロウサギさんを。






ア リ ス は シ ロ ウ サ ギ を
追 い か け た 。
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