─ Alice ?─
「!!!アリスッ駄目だ!!!」
チェシャ猫が妙に焦って
私を引き戻そうと
必死に手を伸ばす。
だけど
私は扉に
吸い込まれるように
入っていった。
呼ばれている
気がしてならなかった。
「駄目だっ!!
駄目なんだ
─シロの扉
だけはっ……
アリスーーーー!!!!」
扉が シマル
一瞬
チェシャ猫の
泣きそうな顔が
見えた気がした。
「【 ア イ ツ 】…!!
アリス、どうか
無事でいてくれ……
必ず、必ず
助けに行くから。」