─ Alice ?─
「アリス!!!」
扉を開けたのはチェシャ猫だった。
「チェシャ…猫…。」
「帽子屋、お前…!」
チェシャ猫の暗紫色の瞳は怒りに溢れ、だがどこか切ない顔をしていた。
「……時は、来たのです。
来てしまった。
チェシャ猫、貴方だって同じでしょう??
アリスが欲しくて欲しくて仕方がないのでしょう??」
そういう帽子屋さんの顔は苦しそうで
私はどうしていいのかわからなかった。
それに
「時が来たって…なに?」