茜空


先輩は
今年の春に
こっちに帰って来たそうだ。



あたしに連絡しようとしたが、
別れた時に
電話番号も消してしまって、
連絡できなかったらしい。


でもここに来れば
会えるんじゃないかと、
何度も足を運んだという。



「何度通っても
 お前に会えなくてさ、

 今日お前が居ねかったら
 諦めようと思ってた」





さっき乾いたはずの涙が
またどんどん溢れてくるよ。



あたしもきっと
ここで待ってたんだ。



先輩が
迎えにきてくれるのを
ずっと

ずっと…



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