狼彼氏×天然彼女
そんなあたしに
片山さんは気付いたのか――…
「あら?!高畑さん?!」
高ーーーい声で
ご挨拶。
耳がキーンてした。
「…お、おはよー」
「おはようございます♪今日はお互い頑張りましょうね♪」
「…はい」
「だって"雨宮君"
が懸かってますもんね?」
――――………
今日の選挙で負けたら
舜には近づいてはいけない。
きっと今、この気持ちも忘れなければならないんだよね―…
愛しいと思う横顔も
聞くと安心する低い声も
暖かい大きな掌も
すべて忘れなければならなくなるんだよね―…
そんなの…
―――………
やだよ。
.