MISS YOU
【いつか終わる夢ー2】


(………?)








次に千里が気がついた
頃には、
ヒンヤリとした感触の
物が、
額に被さっていた。







(タオル……?
濡れてる……)








外はもう暗く、
何も見えないものの、
感触だけはソレが
何かと言うことが
分かった。







(無意識のうちに
自分でタオルを…?
まさかね…)








ふと横を向くと、
台所の方に電気が
付けっぱなしと
いうことに気付く。







消し忘れ……?


いや、これは違う。




明らかに誰かが電気を
点けたものと、
理解した。








「あ、気付いた?
良かった心配したよ」










ふと声が聞こえた。








暗くて見えないが、
その声は
世界中の誰よりも
自分が一番理解している
声だ。







「……朋樹?」







間違いない…

いや、間違えるハズも
ない。








紛れもなく朋樹が

目の前に立っているのが
分かった
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