ワ ス レ ナ グ サ 。


『あ、あのさ…』

『ん?どしたの?』

キミは、妬いてくれるかな…?


『俺さー、告られて…さ、』


京香は、無言で、びっくりしたように俺を見つめた。

『…誰に?』

『一組のチヒロちゃん。ショートボブのちっちゃい子』

『…で?』

妬いてる妬いてる♪

拗ねたような顔しちゃって♪かーわい♪

『ラブレター貰ったわけよ。中、なんて書いてあったと思う?』

『知らないよ、そんなのっ』

京香は、ずいぶんとご立腹な様子で、俺を睨んでいた。

『“かずや”君が好きです。って書いてあったんだよ…』

それを聞くと京香は、また驚いた顔で俺を見ると、急に笑いだした。

なんでって?

それは…

『アハハっ!!“かずや”君だって!!“かずなり”なのにっ!!名前間違っちゃってるよ~っ!!』


…と、いうことです。はい。

“かずや”ではありません。“かずなり”です。

よく間違われるんだよねー…。

『アハハっ!!、で?返事どしたの?』

『断ったに決まってんだろ。好きな人の名前を間違ってるようじゃねー。』


ま、かずなり君って書いてあっても断るつもりだったけど。

俺には京香がいるからね。

『ふふ、…よかったっ』

京香が急に、俺に寄り添ってきた。

『…心配だった?』

『…正直ね。』

『京香かわいー』

『うっ、うるさいよっ///』

顔を真っ赤にして、リンゴみたい。

愛しくて、離したくなくて。

『京香…、好き。』

『ふふ、あたしも』

こんな、俺らにはなんでもないやり取りが、すごく幸せに感じた。

京香となら、これからもずっと、うまくやっていけるって

信じてた。



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