社員寮でラブ!
それから


泣き続け


「待ってろ。」


そんな私を放置していなくなった叶



どれぐらいたったか----


「レナちゃん。」


泣くのも疲れて膝を抱えてしゃがみ込んでいると頭上に声



まさかと思ったけど


泣き声に壁下さんが戻って来た


のではなくって



背の高い叶が壁下さんを見つけて

「連れて来たからな。」


連れ戻してくれた。



見上げる私

見下ろす壁下さん



「どうして戻って来たの?」


「彼が誤解だって言うから。」


叶の方を見てそれから私に視線を戻し



「逃げるの大人げないよね?

ここで決着つけることにするよ。」



私のこと信じてる?信じてない?


分からない

けど

信じて欲しい



「なら、俺がちゃんと言うべきなんだろうね?」

叶が言った。



私の前に立つ二人の男


叶と壁下さん


二人を見上げて



壁下さんを失いたくない


そう思った。



でも

「でも・・・叶・・・」


いいの?言っちゃっていいの?


< 210 / 574 >

この作品をシェア

pagetop