正しい恋愛処方箋

「とにかく、出ていってください、二人とも。奏多と話しもできないじゃないですか。」

「拓海、イチャイチャしたいならそう言えば良いだろう?父さんだってそれなら邪魔はしないさ!」

「うふふ…あっ、奏多さん。私の事はお母さんでもママでも好きに呼んでね?」


なんだかあまりにもフレンドリーすぎて、どう返せばいいかわからず曖昧に笑うしかない。


「それなら私はパパと呼んでほしい、拓海も彬も呼んでくれなかったからな…」

「呼ぶわけありません。良いから出てください。」


どちらが親なのかわからない会話に自然と笑みが零れていた。
なんだか、また新しい拓海さんを発見したような気分で胸の辺りがホカホカとする。


「奏多ちゃん。」

「は、はい!」

「拓海はね、少し難しい処があるけれど優しい自慢の息子なの。だからね…拓海をお願いね?」


拓海さんのお母様はすごく優しい笑顔でそう言う。
くすぐったいような、恥ずかしいような、それでも嬉しくて私ははにかみながらも小さく頷いて、笑みを浮かべた。


「初孫は女の子がいいわ。」

「…はい?」

「でも男の子もいいわ…そうね、双子なんてどう?」


にこにこと爆弾を投下するお母様に私は自分でも顔が真っ赤なのがわかってしまう。


「母さん!」

「あら、いいのよ拓海。私も音弥さんも結婚までセックスをするな、なんて言うつもりないもの。セックスは愛を確かめる儀式なんだからどんどんやらなきゃ!」


お母様はとっても素敵な笑顔だけど、言ってる事はとんでもない。
拓海さんは呆れているが、私は恥ずかしくて穴を掘って埋まりたいくらいなんだから。
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