【短編】シャーペン
「ゆーりー!!」
助けを百合に求めた。
「茜・・・こんなこと言いたくないけどさ、早く気持ち伝えないと波留くん取られちゃうよ?」
百合は波留の隣の女の子、美亜(ミア)ちゃんを指しながら言った。
どう見ても波留のことが好きっぽい。
しかも、私より可愛いし。
勝てる気がしない。
「はぁー完敗だね…」
「まったく…ポジティブな茜ちゃんはどこに行った?」
私はもう最悪だった。
シャーペンを見て胸がドキンッと鳴るが、以前の幸せに音ではなく嫌な胸の音だった。
気持ちを伝える・・・か。